こんにちは。三島友紀FP事務所の三島友紀です。

本日は3種類の離婚方法のうち、調停離婚について解説したいと思います。

調停離婚とは以前ご説明したように、協議離婚で話し合いがうまくいかなかった場合に、家庭裁判所に申立てをして離婚を進める方法です。

調停離婚は裁判ほど時間をかけずに、お互いの考えを調停委員がまとめてくれ、妥協点を探し出してくれる。考え方によってはとても便利な制度です。また、調停を経ないと裁判離婚には進めない(調停前置主義)ため、協議離婚でうまく話が進まない場合はぜひ積極的に考えていただきたい制度です。

調停離婚の流れ

大きく分けて3つのステージがあります。

1、調停の申し立て

2、家庭裁判所にて調停の話し合い

3、調停調書の作成

1つ1つ見ていきましょう。

1、調停の申し立て

調停離婚の申立ては、家庭裁判所に申立書など必要書類を提出するところから始まります。提出する家庭裁判所は、

同居の場合、住所を管轄している家庭裁判所。
別居の場合、相手方の住所を管轄している家庭裁判所
に提出します。
また、夫婦が合意すればこれ以外の家庭裁判所に申立てすることも可能です。

申立ての方法

申立ての方法は直接家庭裁判所に出向く他、郵送でも申立ては可能です。
ただし、直接出向いた方が不備があった時などその場で対応ができますので、お仕事の都合がつけられない等の特別な理由がなければ、直接出向く方法がおすすめです。

費用

調停離婚の費用はとても安価です。安くおさまります。まず、収入印紙代が1,200円。連絡用に必要となる郵便切手代が約1,000円分。これだけです。調停と合わせて、婚姻費用の分担請求や、財産分与、年金分割、慰謝料などに関しても調停を行う場合、それぞれに1,200円分の印紙が必要にはなりますが、すべてを合わせたとしても1万円もいきません。

必要書類

調停離婚の申立てに必要な書類はおおまかに言うと3つです。

1、調停申立書
2、戸籍謄本
3、年金分割情報通知書(年金分割を希望する場合のみ)

1つめは調停申立書と付属書類の回答書と説明書です。これらは家庭裁判所の窓口でもらうか、HPからダウンロードできます。記入例もありますので、そちらを参考にしながら書いていきます。
2つめは戸籍謄本です。本籍地の役所で取得できます。本籍地が遠方の場合は郵送にて取り寄せてもらいます。
3つめは年金分割を希望する場合のみですが、「年金分割情報通知書」も同時に提出します。また、年金分割情報通知書を提出する際にはこちらにも合わせて戸籍謄本が必要になりますので、戸籍謄本は2通提出することになります。

また、それ以外に離婚に至るまでの経緯が客観的にわかるように資料(陳述書)があればなおいいと思います。

調停申立書を提出してから1か月前後で調停期日通知書が届きます。期日通知書には調停を行う日時や場所などが記されていますので、予定を合わせて期日に家庭裁判所に出廷します。この調停期日は平日に設定されますが、可能な限りお仕事の都合などをつけて出廷するようにしてください。特別な理由があれば期日の変更は可能ですが、裁判所や調停委員の都合もあるので場合によっては変更がきかず、第一回目の調停は相手側の意見だけを聞き、申立人は2回目からの参加。という指示もありえます。また、よほどの理由がない限りは弁護士などの代理人での対応というのもできません。

必ず本人が予定を調整して出廷するようにしてください

2、家庭裁判所にて調停の話し合い

調停期日通知書が届くと、そこに書かれた期日に調停が行われます。この調停に関しては長くなってしまうので、次回個別でとりあげてご説明しますが、基本的には一度で合意に至ることはまれですので、複数回の調停を経て離婚へと至ります。

夫婦双方において、離婚の意思が固まり、慰謝料や養育費などに関しても条件がすべてまとまると、調停委員と裁判官、裁判所書記官によって離婚調書が作成されることになります。

3、離婚調書の作成

離婚調書は調停が成立した時に裁判官、書記官立会いのもと「夫婦の前で記載内容を読み上げる」事になります。この手続きは非常に大事になっておりまして、後からの変更は基本的にはできません。(作成直後なら可能な場合もある)
調停委員や裁判官も絶対ではありません。金額のミスや記載漏れがないともいえませんし、解釈の違いなどによって望んでいた内容と違う調書ができてしまったという事も考えられます。よく聞いて、不安な点や不明な点があれば遠慮せず確認してみることが大切です。

離婚調書が成立すると、成立した日が離婚の成立日となります。

離婚調書の謄本を申請し、離婚届を提出する

調停調書が成立しただけでは離婚手続きは終わりません。離婚届はやはり提出しなければなりません。その際に必要になってくるのが離婚調書の謄本です。この謄本は申立人から請求しないともらう事はできませんので、成立したら謄本の請求を行う必要があります。

離婚調書の効力

離婚調書は非常に強力な効力があります。離婚調書に書かれた内容に不履行(例:決められた養育費を払わなかった)があった場合強制執行を行うことができるようになります。調停調書は裁判の判決と同じ効果があるのです。
公正証書による協議離婚でも同じような効果がありますが、公正証書の場合は「債務者は本契約上の債務を履行しなかったときには、直ちに強制執行を受ける事を認諾する」というような強制執行認諾文言が記載されている場合のみ強制執行が可能となります。ですから離婚給付における債務者が認諾文言の記載を拒んでいる場合は強制執行ができる公正証書を作ることはできません。

また、公正証書による離婚協議書では金銭(養育費、慰謝料、財産分与)に関わる債務不履行に関してのみ強制執行ができるのに対して、離婚調書であれば調書に書かれた内容すべてに対して強制執行(例:自宅は妻のものと決めていたのに夫がいつまでも名義変更に応じてくれない場合の不動産の明け渡し等)ができるようになります。その点でもより強力な制度だといえます。

まとめ

協議離婚はしっかりと調べて準備をしてから行えば円満離婚に向けた便利な方法といえます。
ただ裁判所というのは普段暮らしていてなじみのない場所です。緊張もします。その中で自分の意見をきちんと伝え、相手の意見を聞きすり合わせて妥協点を探していくというのは、調停委員がいるとしてもなかなか難しい場面かと思います。

もし可能であれば弁護士などに相談をしてみる事をおすすめします。法テラスなども使えば初回相談は無料で受ける事も可能です。