こんにちは。三島友紀FP事務所の三島です。
緊急事態宣言下いかがお過ごしでしょうか?あらゆる仕事が自粛になる一方で、医療関係者や公共サービスに関わる方。スーパーや運送に関わる方など仕事が忙しくなっている人も多いと思います。なるべく無理をならさず、心の平静を保っていただけたらと思います。

さて本日ですが、令和2年4月に施行された法律についてご案内したいと思います。

民法が改正されたのは結構有名だと思いますが、今回解説するのは民事執行法です。
法律を勉強してない人にとっては少しマイナーな法律なのですが、離婚にも関わる大事な法律ですので今日解説する分は知っていただければ嬉しいです。

民事執行法とは?

民事執行法とは強制執行、担保権の実行としての競売、換価のための競売、債務者の財産開示に関する手続きについて規定した法律です。

民法や商法などにおいて相手と契約などを結んだ場合、債権債務が発生します。
債権者にとっては相手からお金をもらう権利が発生し、債務者にとってはお金を支払う義務が発生することになります。

その状態で義務者がお金を支払う義務を怠った場合。債権者は一定の方法を取る事で
強制執行して強制的にお金を回収したり、担保権という権利をつけていた不動産を競売に出したり、相手に他にお金になる財産がないのか調べる為に財産開示を行なったりすることができます。その為の仕組みを定めた法律です。

令和2年4月改正の内容は?

財産開示制度

例えば養育費を相手が払わなかったケースについて考えてみましょう。
そもそも強制執行をするには裁判所で判決や審判を経ていないといけませんが、それに加えて何を差し押さえるのか。という部分について申立書に記入しなければいけない為、養育費を払っていなかった相手に対し、「裁判所に出頭して財産の内容を供述しろ!」という財産開示制度があります。

改正前は判決や審判を経ていないとこの財産開示は使えなかったのですが、改正後は公正証書による養育費の取り決めを決めたものにも財産開示ができるようになりました。

また、裁判所に出頭しなかったり、出頭したとしても嘘の内容を相手が言った場合の罰則について、改正前は30万円以下の過料しかなく実効性が弱いという批判がありました。これが改正後は6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金として刑事罰にすることにより実効性を確保しようと変更しました。

第三者からの情報取得手続

上記の財産開示制度は養育費を払わなかった相手方に直接情報開示を求めるものでした。今回新設されたこの第三者からの情報取得手続は養育費を払わなかった相手方ではなく、相手方の預金口座に関わる情報は銀行へ。不動産に関わる情報は登記所へ。勤務先に関わるものは市町村や年金事務所へ。情報開示ができるようになりました

具体的には確定判決や、公正証書による養育費を受け取る権利を持っている債権者が裁判所に申立てをし、裁判所が銀行や登記所に情報開示を求めます。要件にあった開示請求であれば銀行や登記所は裁判所に情報を伝え、裁判所から債権者に情報がさらに伝わります。
そうすれば、差押えに必要な情報が手に入った債権者は強制執行を行うことができるようになります。

なお、勤務先の情報開示については勤務先への給与債権の強制執行は、勤務先へ相手方の債務の不履行が伝わる事で相手の失業のリスクが高まる為、養育費の不払いや、生命・身体に関する損害賠償請求権にまつわる不払いでしか情報開示はできないようになっています。

まとめ

今回のこの改正で、強制執行を行う事が容易になりました。

養育費の不払いはシングルマザーにとっては暮らしを大きく変えてしまう大変に許しがたい行為です。
この改正によって養育費を受け取れず、泣き寝入りしてしまう女性は少なからず減少するのではないかと思います。

ただし、この手続きを踏むには強制執行認諾文言がある公正証書を残すか、調停や裁判を経ておく必要があります。
調停や裁判を経るとかなり時間もかかりますし、精神的肉体的疲労も大きくなり、弁護士を入れれば金銭的な負担も出てまいります。

離婚をする時には公正証書を作っておく。

この事がこれからますます大事になっていくと思います。