前回に引き続き離婚時の財産分与についてです。

離婚の合意が取れたら夫婦で所有している財産の分け方について話し合いをすることになります。
分け方については合意さえあればどのようにわけてもかまわないのですが、とりあえず思いつくまま「私はこれが欲しいからもらうね」と分けていくと最終的にバランスが崩れてしまってもめごとになったり、離婚後に財産分与し忘れた財産が出てきてトラブルになったりする可能性があります。

なるべく夫婦双方にとって後悔がないように気持ちよく分けていきたいですね。

まずは財産目録を作ろう!

まずはエクセルなどを使って、今夫婦で持っている財産をリストアップすることから始めるといいと思います。この時には金額などはまだ考えず思いつくまま財産の項目だけをあげていきましょう。些細なものでも後からトラブルの火種になることもあるので、細かくだすようにしましょう。

例えばこのような感じです。

現金
預貯金(夫)
預貯金(妻)
不動産(土地)
不動産(建物)
自動車
株式(〇〇社)
パソコン

すべての項目を出し切ったら、計算できるものは金額を記入していきます。現金、預貯金や有価証券などは記入しやすいと思います。不動産は不動産業者などに問い合わせて現在売却した場合の価格を調べておきその金額を記入します。(不動産鑑定士に依頼すれば性格な金額がでますが、費用もかかるので概算で行う場合の方が多いです)
あわせて不動産の現在のローン残高も調べておくとよいでしょう(離婚に伴って不動産を売却する場合ローンが残るのか残らないのかもここで調べておけばわかります)

金額換算できる全財産を金額計算したら合計して総財産を計算しておきます。

金額換算できないものもあると思います。家具や自転車。家電製品などです。これらは売っても二束三文にしかならないこともありますし、調べるのも数が多く面倒です。
このようなものは金額を計算せずに、今後の生活で必要かどうか。夫婦どちらがそのモノについて愛着があるか等を考えて、自分の気持ちに正直に欲しいものにチェックを入れていきます。中には夫婦双方が欲しいとチェックを入れるものもあると思いますので、そういったものは金額が計算できた財産の分割が終わった後、最後に分割を決めて行く事になります。

財産分与の割合を決める

さきほど計算した総財産を財産分与の割合で割れば、どちらにいくらの財産を残せばいいかわかります。

この時の財産分与の割合はどう決めればよいでしょうか。
合意さえあればどのような割合でもよいのですが、一般的には共働きであるか、妻が専業主婦であるかを問わず夫婦がお互いに協力しあって夫婦の共有財産を形成・維持したとして、原則として1/2ずつとなっています

ただし寄与分という考え方もあります。

寄与分とは夫婦がどのくらい共有財産の形成に寄与したかを評価する割合です。
例えば医者・弁護士・芸能人・スポーツ選手・芸術家などは専門技術によって財産形成を行っているため、寄与分が認められて1/2よりも多い割合になる事があります。

不動産を分割する方法

財産のうち不動産は多くの割合を占めるので、その分け方も色々と考える必要があります。

財産目録を作る時点で不動産の売却価格と、ローンの残高は調べてあると思います。

多いパターンは3つです。
1つは不動産の名義やローンの名義が夫だった場合、離婚後も夫が住み続けるケース
次に、不動産の名義やローンの名義が夫だったが、妻が住み続けるケース
もう1つは不動産を売却して現金化し、現預金などと一緒にして1/2ずつ分割する方法です。

どれがいいというわけではないのでやりやすい方法、納得できる方法を選びましょう。

不動産の名義が夫で、離婚後も夫が住み続ける場合

このケースはとくにやるべきことは多くありません。不動産やローンの名義変更をする必要がないからです。
ただし、総財産の中で不動産は多くの割合をしめているので、残りの現預金はもう一方が多めに取得するなど公平性を保つ必要があります。

不動産の名義が夫で、離婚後は妻が住み続ける場合

この場合は①夫がローンを支払いつつ妻から相当額をもらう 妻が別にローンをくみ直して今のローンは全額決済する。③夫がローンを支払いつつ、家には妻が住まう。など色々な方法を取る事ができます。お互いの経済力や自宅の使い道。子供の有無などによってどのやり方がやりやすいか決めていきましょう。

不動産を売却して、売却金額を分割する場合

一番わかりやすくてわけやすいやり方かもしれません。ただひとつだけ注意点があります。それは残りのローン残高が不動産の売却金額よりも多くなってしまう場合です。俗にオーバーローンといいます。

ローンの方が多くなってしまった場合、不動産以外に積極財産(プラスの財産)がなければ、このローン残高を分割することはできません。夫がローンの名義になっている場合は夫がローンの残りを払わなければなりません。

まとめ

本日は離婚時における財産分与のやり方について解説させていただきました。ポイントは

1、財産目録を最初につくる事

2、金額計算ができる財産と金額計算ができない財産を分けて考える事

3、不動産の分割はよく考える事

以上3点になります。

経済力や収入の差は財産分与の割合を決める要素にはなり得ません。お互い納得ができる分割を目指したいですね。