三島友紀FP事務所の三島です。

最近元ZOZOの代表取締役の前澤友作さんが新しくシングルマザーを助ける会社として「株式会社小さな一歩」を作ったそうですね。これについてはいろんな意見があるのかな。と思いますが私は賛成です。前澤さんのような著名な方が行うことで話題性があり、シングルマザーの現状や養育費の不払い問題が取り上げられ社会が変わるきっかけになるかもしれません。

この前澤さんの会社については別の機会に取り上げたいな。と思います。

これに関連して本日は【養育費】について。

養育費は夫婦が離婚をする際に子供がおり、その子供がまだ幼く夫婦どちらかが育てていく場合に子供を養育しない方から養育する方へおくる金銭の事です。

養育費を請求する権利

ちなみに養育費は養育する親が請求できる権利ではなく。子どもが持つ権利です。
ですから厳密には親が勝手に「養育費なんかもらわなくていいから!もう子供の前に顔を出さないで!」というのはできないのです。養育費をもらわなくていいから。と言えるのはあくまで子供なので勝手に言ってはいけないのですね。

ま、そうは言ってもほとんどの場合子供が養育費についてきちんとした意見を言うことはできないので、子供をこれからも育てていく親が別れる配偶者に対して請求します。
ではその請求する金額ですがどのくらいの金額を請求すればよいのでしょうか。

協議離婚においては養育費を支払うか支払わないか。また支払うとしたらその金額や支払い方法などもすべて協議によって自由に決めることができます。が、基準がないとなかなか決めずらいというのはあると思います。そしてその基準は裁判所が示してくれているのです。

裁判所の発表した養育費算定表

養育費の具体的な算定に関しては2019年に「改定標準算定方式・算定表(令和元年)」が使われています。実際に家庭裁判所でも使用されている「標準的な養育費・婚姻費用の額を簡易迅速に算定するための標準算定方式・算定表」の考えを基本的に踏襲しており、この算定表で導き出された金額はそのまま調停や裁判となったときにも基準となるものといえます。

算定表は裁判所のホームページで見ることができます。

平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について

この算定表は父母双方の収入を基準として、収入の高い親と同程度の生活を子供にもさせるという観点から計算されています。その為収入が高い親は多くの養育費を。収入が低い親は少額の養育費を。子どもの人数が多ければ多くの養育費を支払うようになっています。
さらに子供の年齢によっても変わります。一般に子供が大きくなればなるほど、食費、被服費、最も大きい出費としては学費が高くなるからです。その為算定表では15歳を基準にして15歳以上の場合は養育費が高くなるように作られています。

実際の養育費算定表を見てみると

実際に先ほどの算定表のページにとんでみるとたくさんのpdfファイルがあるのがわかります。
(表1)養育費・子1人表(子0~14歳)から始まり
(表9)養育費・子3人表(第1子,第2子及び第3子15歳以上)まで実に9パターンもあります。それぞれ子供の人数や年齢が変わっているのです。

ここでは(表1)養育費・子1人表(子0~14歳)を見てみます。

養育費支払義務者 \ 権利者 300万円 500万円
300万円 2-4万円 2-4万円
500万円 6-8万円 4-6万円
700万円 8-10万円 6-8万円
1000万円 14-16万円 12-14万円

上記の表は養育費算定表を元に、支払い義務者と権利者の年収から毎月の養育費の基準を表にしたものです。

養育費算定表は縦軸が支払義務者の年収。横軸が受取権利者の年収となっていますので、その数字から伸ばした線が交わるところが養育費の基準額となります。

※なお、年収の欄は金額が2つ表記されています。内側の金額は自営業者の場合の年収で外側の数字が会社員などお勤めの人の年収です。自営業者の年収は売上ではなく課税所得金額にて計算します。

見ていただくとわかるように、支払う側の年収が高くなればなるほど養育費の額はあがりますが、受け取る側の年収が上がれば反対に養育費の金額は下がります。支払う側だけでなく、受け取る側の年収も養育費を考えるときには大きく考慮される数字といえます。

その他養育費の計算で考慮される事情

この算定表ですが、子供の教育については実は大学まですべて公立だったと仮定して計算されています。そこで子供が私立に進学している場合や進学を予定している場合などはそれを考慮に入れて少し養育費を多めにしておくなども対策のひとつとして考えられます。

また子供に障害や特別の支援が必要な場合はそれにより金銭的な負担や親の肉体的負担が増える場合がある事から養育費の金額を決めるにあたり考慮に入れることも可能です。

まとめ

①養育費は子供の権利である。(厳密にいえば(親が勝手に放棄はできない

②裁判所ホームページ内にある養育費算定表で養育費の額を決めることができる。

③算定表では両親の年収。子どもの人数。子どもの年齢によって養育費の額がきまる。

④子供の教育内容や障害の有無などによって養育費の金額は変化することがある。

実際に離婚を考えるときには離婚後の生活設計がとても大事です。
その為子供がいる場合、あらかじめ養育費の金額をシミュレーションしておき、その金額で離婚後のライフプランを立てることが非常に重要です。

そのうえで養育費を確実に受け取ることができるように強制執行認諾約款公正証書などで養育費がきちんと支払われるように準備しておきましょう。