こんにちは。三島友紀FP事務所の三島です。

熊本、鹿児島では豪雨による被害が甚大になっています。心肺停止の人も発見されているようで被害にあわれた方々へ哀悼の意を表します。

しかし日本はいつからここまで毎年水害が起こる国になったのでしょうか…以前から台風の時期などに水害はありましたが、それこそ平成一桁年の頃は3年に1度くらいの頻度だったと思います。
ここ5~6年はほぼ毎年大規模災害が起こっています。

これも温暖化の影響でしょうか…

養育費を払ってくれない!

さて。本日ですが離婚した後の養育費についてです。
私の親もそうだったのですが、なかなか養育費というのはきちんと払ってくれる人が少ないものです。「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると養育費を受け取っている割合は母子家庭の場合で24.3%。父子家庭で3.2%という事です。
父子家庭が数字が低いのは女性より男性の方が給与が高いからといえるかもしれませんが、母子家庭で24.3%はかなり低い数字だと感じます。

それだけ養育費を払わない人が多いという事が言えますが、では養育費を払わない相手方に対してできる事は何があるのでしょうか?
「養育費をどう決めていたか」がポイントになります

ケース1 養育費を決めていなかった場合

いきなり「え、決めてなかったならもらえないでしょ!」とも思えるケースですがご安心ください。もらう方法はあります。

そもそも養育費というのは子を養育する親が受け取る権利ではなく子、供が受けることのできる権利です。親同士で勝手に「養育費の支払いはなしね」と決めてよいものではありません。

ただ実際は面会交流をしない代わりに養育費は払わないだったり、早急に離婚をしたいが為に養育費は諦めたりといったことはよく起こっています。

養育費を決めずに離婚をした後でも子供に対しての生活保持義務は残っていますので、別れた相手方は子供に養育費は払わなければいけません。

このようなケースの場合はまずは元夫婦間で協議を行います。
基本的には過去にさかのぼって請求するのは難しいと思われますから、協議の時点から将来に向かって養育費の請求をするのが一般的です。
別れた相手方に対し悪態をつくのではなく真摯に誠実に現在の状況を伝え、また養育費の支払義務は親である限り常にある事を主張し支払いを求めるようにしましょう。

相手が承諾してくれれば一番いいですが、承諾しない場合は離婚後ではありますが家庭裁判所に調停を申し立てることができます。調停でも結論が出なければ裁判を起こす事もできます。

ケース2 裁判・調停・審判等によって養育費を決めていた場合

離婚のときに調停や裁判を行っておりその時に養育費についても取り決めていた場合は色々と行える事が多くあります。

履行勧告・履行命令

まず行えるのが履行勧告と履行命令です。
家庭裁判所に申し出ることによって、裁判所が養育費の支払義務について履行状況を調査し、義務者に対して義務の履行を勧告することができます。
この勧告は任意の履行を促すものであり、強制力はありませんが、なにせ裁判所からの勧告です。かなりの心理的プレッシャーを与えることができ、この勧告で支払いがなされた例も多くあります。

また家庭裁判所は履行命令を出すこともできます。
この履行命令の場合は命令を受けたものが正当な理由なく履行命令に従わない場合、家庭裁判所はその者を過料に処することができるようになっています。

間接強制

養育費を支払わない場合差し押さえをイメージする人が多いですが、差し押さえ(強制執行)の前段階として間接強制を選択することもできます。(また後述しますが間接強制は裁判・調停・審判での離婚だけでなく公正証書による離婚協議書を作成した離婚でも行うことができます)

間接強制とは、義務者に一定の金銭を権利者に支払うことを命じる方法で、これによって義務者に心理的強制を課し、養育費を支払わせるようにしたものです。
(心理的プレッシャーを与えて、おっかないから払っとくか…という気持ちにさせるのです)

義務者が自営業やフリーランスの為、差し押さえる給与が把握できない場合や、いきなり給与の差し押さえをすると職場を解雇されてしまいかねない場合などは間接強制が適しているといえます。

ただ欠点もあり、間接強制は義務者に支払い能力がなくて養育費を支払うことができない場合や、養育費を支払うことによって義務者の生活を著しく切迫するような状況の時は行えません。

強制執行

強制執行はいわゆる差押えです。
義務者の財産を差押えて換価(現金に換える)し、換価した金銭をもって養育費の回収を図る制度です。差押える財産対象は給与。不動産。動産。給与以外の債権(預貯金債権等)と多岐にわたります。

強制執行を行う場合は家庭裁判所ではなく、地方裁判所に執行の申し立てを行います。

養育費の場合は不動産や動産よりも実効性の高い、預貯金債権や給与の差押えから行う事が一般的です。

ひとつ問題点としては差押えの申立てをする際には義務者の財産がどこにあるのか申立者が把握していないといけません。給与の差押えをするのであれば勤務先の名称。預貯金債権の差押えをするのであれば銀行名や口座番号などです。もし義務者が転職をしていたり、口座を解約するなどしてそれらが不明だとしたら差押えができません。

そのような場合は民事執行法に基づき財産開示の手続を行うのがいいかと思います。
令和2年4月1日に施行された改正民事執行法により第三者である金融機関や日本年金機構などに義務者の財産を開示できる制度ができました。裁判所に開示請求をすると裁判所が開示の手続を行ってくれるので義務者の財産の特定が容易となりました。

開示請求で財産特定をしたのちに、差押えをする。

この流れで養育費を取り返すことができます。

ケース3 公正証書で養育費を決めていた場合

ケース3は公正証書で離婚協議書を作り、その中で養育費を定めていた場合です。

この場合は上で述べさせていただいた。間接強制と強制執行の制度が使えます
ただし、公正証書には強制執行認諾約文言と言われる条項を定めておく必要がありますので注意が必要です。

ケース4 公正証書ではない離婚協議書で養育費を定めた場合

公正証書までは作っていないが、離婚協議書として決め事を書面にしていたというケースもあるでしょう。この場合はただちに強制執行などをすることはできません。

強制執行や間接強制を行う為には一度調停。裁判を行う必要があります。

ただし、ケース1の場合と違って一度夫婦間で協議書で合意しているという証拠が手元にある状態からスタートするので調停や裁判で合意がまとまるのはケース1よりも早くなります。

まとめ

養育費を払わない元相手方に取りうる方法はケースによっても異なりますが主に4つです。

①改めて協議をし直す
②履行勧告・履行命令を行う
③間接強制によって履行を促す
④直接強制(差押え)によって強制的に履行させる
※この場合財産開示請求を行うことも有効

様々なケースに応じて対応できる方法は異なって参ります。
不安な点があれば専門家の無料相談などを使って解決することをお勧めします。

※当事務所では信頼のおける弁護士も無料でご紹介できますので、裁判所へ申立てる必要がある場合などは弁護士をご紹介させていただきます。