こんにちは。みしま行政書士事務所・三島友紀FP事務所の三島友紀です。

昨日のお知らせでもお伝えさせていただきましたが、当事務所は令和2年9月1日に行政書士事務所を開設いたしました。またFP事務所も以前の新宿の事務所から私の地元でもあります東京都小平市に移転をしました。

今後は小平市を中心とした地域の皆様。及び全国の相続や離婚で悩む家庭の力になるべく全力で事務所及びウェブサイトを運営していきたいと思います。

よろしくお願い致します。

個人事業主が離婚すると…

さて、本日のお話しですが先日私のところに届いたご相談です。

個人事業主を営んでいるご夫婦が離婚をすることになったのですが、どう財産分与をしてよいかわからない。とのご相談でした。

これは個人事業主の場合よく起こることです。私自身も個人事業主ですからもし私が離婚する事を考えると「正直大変だし、めんどくさい」…と思ってしまいます。

そこで本日は個人事業主が離婚する時に気をつけてほしいポイントを4つに絞ってお伝えしたいと思います。これを読んでいただければ個人事業主の方にもし離婚の話が出てきたとしても慌てずに済むと思います。

個人事業主が離婚するときに気をつけたいポイント

先に4つすべてをお伝えしてしまいます。そのあと個別に解説させていただきます。

個人事業主が離婚するときに気をつけたいポイントは

1、財産を個人の財産と事業の財産に分ける
2、借入金の取り扱いを話し合う
3、小規模企業共済や個人年金を忘れずに
4、離婚協議書に「廃業時の特例」を明記しておく

この4つです。
それでは個別に見ていきましょう

1、財産を個人の財産と事業の財産に分類する

一番難しい点です。

個人事業主の多くは個人用のお金と事業用のお金をおおまかにしか分けていません。まったく分けていない人もいます。ですから一つの通帳から仕入れにかかったお金の引き落としがあったり、家庭の引き落としがあったりと混在しており口座に現金があったとしても、その現金は翌月の支払いにつかう分だったり。という事が起こり得ます。

もちろん民法上、個人事業主の財産は事業に使うものであっても財産分与の対象になることが認められていますが、実際のところ事業用の財産が多額にわたるような製造業や飲食業などで厳密に分割してしまうと事業を継続することができなくなってしまいます。

ですからそこは双方で話合い、例えば事業用で必要な資金は事業財産として先に控除して、その残りを財産分与するなどの調整が必要になる場合があります

その際には事業財産を計算する必要があります。計算の際は貸借対照表や損益計算書を見ながら調整する事になりますが、やや難易度が高い為、税理士や専門家に聞くのもありだと思います。

2、借入金の扱いを決めておく

事業を行うにあたって銀行や公庫から借入をしている場合があります。

借金の財産分与における取り扱いは「夫婦の共同生活の中から生じた借金」であれば財産分与の対象となるのが一般的です。事業によって生じた利益が生活費として夫婦の共同生活の中に入っていますので事業用の借金も財産分与の対象となるといえます。

ただこちらも離婚後に片方が事業にまったく関わらないのに借金を背負わされるのは気持ちの上では納得が難しいかもしれません。

例えば事業を継続していくという事で事業主の側が財産分与で、借入金の残りの現金や借入金で購入した設備・不動産を承継していく代わりに借入金も事業主側が全部承継するという選択肢もあります。

なお仮に借入金を財産分与するとなった場合でも銀行側にそれを主張したり、新たに契約を交わしなおしたりするのは実際は難しいと思われます。

3、小規模事業共済や個人年金を忘れずに

個人事業主の場合、年金が国民年金だったり退職金がない関係で、小規模事業共済や個人年金をかけている人が多くいます。今話題のiDeCoなども老後の為の積立の一種です。

離婚の際に「退職金に準ずるもの」は財産分与の対象になります。小規模事業共済等も退職金に準ずるものになりますから当然財産分与の対象です。

小規模事業共済は月に7万円。年間84万円まで加入できますから10年加入すると840万円にもなっています。この事を忘れて財産分与を終えてしまうと後々トラブルの元になりますので、話し合いのテーブルには載せるべきでしょう。

なお通常、個人年金等を財産分与するときは支払総額ではなく「解約返戻金の額」を財産分与の額として計算します。

4、廃業時の特例を明記しておく

これは個人事業主に限った話ではないのですが、養育費など離婚後長く金銭を払っていく場合は支払っている最中に廃業など不測の事態が起こり支払いが困難になる可能性があります。その場合に備えて

(養育費は)「○○や○○。物価の変動や収入の変動等。その他事情の変更に応じて
甲乙協議の上、減額または増額することができる」

というような一文を入れておくべきです。
養育費は一度金額を決めたらずっとその金額というわけではありません。事象の変更に応じて金額を変えても構わない事になっておりますので、その旨をきちんと明記しておくことでトラブルを回避することができます。

まとめ

個人事業主は一般的な会社員と異なり、多額の財産や借入、老後の積立を行っている事が多いという特性上離婚時の財産分与においても気をつけなければいけない点が出てきます。

まずは
①多額の財産を事業用と個人に分け、事業用の財産を財産分与の対象に含めるか決めておきます。
②借入金があればその借入金は分割するのか定め。
③老後の積立もどのように分割するか定めます。

そして養育費などの金銭の支払いがある場合は
④事象の変更に応じて減額できる旨を定めておく。

事が必要です。
このような手続を離婚時に行っておくことで離婚後の事業がスムーズに行うことができますし、無用のトラブルを避けることができます。