こんにちは!小平市でみしま行政書士事務所/三島友紀FP事務所を営んでいる三島です。

ここ小平市でもコロナ禍の中、建売の住宅や新築マンションがどんどん建っています。昨年よりは着工数は少ないそうですがそれでも毎月のように新築は売りにだされているので、日本人の新築好きな風潮には変化がないようですね。

さて通常、夫婦が住宅を購入するときは新居でのこれから先の幸せあふれる生活を夢見て購入するものだと思います。おそらくほとんどの人は自分が離婚した場合にこの家はどうなるのか。と考えて購入する人はいないはずです。

しかし実際いざ離婚をしようか。となるとこの住宅ローンという存在が非常にやっかいになってきます。子どもの問題(親権や養育費)の次に問題になりやすいのが不動産と住宅ローンです。

今日はこの事について少しお話しましょう。

住宅ローンの組み方は

住宅ローンは一昔前はその家庭の世帯主の方が組むのが一般的でした。しかし長引く不況や新築物件の高騰によって世帯主の人だけでは満足いく額が借りられないようになり、今では夫婦連名で組むケースも多くなってきています。しかもその組み方も「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」と3つにわかれています。各ローンの違いについても見てみましょう。

1、世帯主が単独で組む

昔は多数派だった考え方です。世帯主(正確にいえば世帯で収入の高い方)を債務者として金融機関と住宅ローンを組む方法です。専業主婦(主夫)の家庭や共働きでも片方が非正規雇用などで収入が多くない家庭ではこの方法をとる事が一般的です。

2、ペアローン

ペアローンとは、同じひとつの物件に対し夫婦それぞれが住宅ローンを組む方法です。夫婦それぞれが金融機関に対しては債務者となり、互いに連帯保証人にもなります。この場合は債務の金額の差はあれど、どちらも金融機関から見れば同じ債務者なので対等な立場といえます。

3、連帯債務型

連帯債務型は夫婦のうち1人が主債務者となって住宅ローンを組み、もう1人が主債務者と同等の返済義務を負う連帯債務者になる方法です。あくまで連帯債務なので連帯債務者が金融機関に債務を弁済した時には主債務者に対して求償権が発生します。

4、連帯保証型

連帯保証型は、夫婦のうち1人が債務者となって住宅ローンを組み、もう1人がその連帯保証人となって債務者が住宅ローンを返済出来なくなった時に代わりにローンの返済義務を負います。連帯保証人は民法上は主債務者とほぼ同等に扱えるようになっていますが(検索の抗弁権や催告の抗弁権がない)実務上は主債務者に支払いの催告を十分にしてそれでも支払ってもらえない場合に保証人に連絡が行くことが一般的です。

離婚時に住宅ローンが問題となるケース

住宅ローンがどのような組み方をされていても住宅を売却することで住宅ローンを完済することができれば何の問題もありません。住宅の売却益で住宅ローンを完済し、残ったお金を財産分与すればよいだけだからです。

また、住宅ローンが世帯主単独で組まれていて、離婚後も世帯主がそのまま住み続ける場合も特に問題にはなりません。世帯主が組んだローンで購入した住宅を世帯主が使用するわけですから。

金融機関との調整が必要なケースは以下のようなケースです。

1、オーバーローンのケース
2、離婚する配偶者に連帯債務・連帯保証がついているケース
3、離婚する配偶者とペアローンを組んでいるケース
4、ローンの主債務者と離婚後の住宅の使用者が異なるケース

1、オーバーローンのケース

オーバーローンとは住宅を売却しても住宅ローンを完済できず借金が残ってしまう状態の事です。基本的にこの状態の時には「売却」という選択肢を選ぶことができません
住宅には「抵当権」が設定されているために金融機関の了承なしに売却ができないのです。

その為オーバーローンの状態の時にとる方法としては、現預金で差額を埋めるか、夫婦どちらかが住み続けるか、賃貸に出すか。という選択を取る事になります。
現預金で差額を埋める場合は財産分与における考慮がしやすいですが、夫婦どちらかが住み続ける場合、賃貸に出す場合に関しては財産分与において離婚後の利益と住宅ローンの負担をどう調整するかがまた問題となってきます。

2、離婚する配偶者に連帯債務・連帯保証がついているケース

住宅を売却せずに持ち続ける場合でも配偶者に連帯債務・連帯保証がついている場合は考えなければならない事が多くあります。連帯債務・連帯保証が離婚後も続いていくとなると、法律上、生活上は別れたとしても、経済的にはローン完済まで関係性が続いていくことになります。
おそらく夫婦双方にとってその状態は望ましい形ではないと思いますから、連帯債務・連帯保証を解消することは当然望むことだと思います。

しかし金融機関側としては夫婦2人の経済力を条件に住宅ローンを貸したのであって、これが離婚が理由とはいえ1人だけに変更することは経済力が低下してしまいリスクが高まるので認めてもらうことはとても難しいと言わざるを得ません。

例えば住宅ローンの借入時よりも返済能力が上がったこと。代わりの連帯保証人や担保を提供するなど金融機関がそれなら契約変更してもリスクがないな。と思えるような説明をする必要があります。

3、離婚する配偶者とペアローンを組んでいるケース

ペアローンの場合は債務を世帯主と配偶者とで分けているため、別れる配偶者も主債務者であり、ローンの債務者としてローンを払う義務があります。
離婚する当事者としては別れて家から出る配偶者のローンを、家でそのまま暮らし続ける主債務者に名義変更してほしいと考えますが、これもなかなか厳しい道のりです。

返済中のローンの債務者を途中で変更することは、金融機関にとっては新たに住宅ローンを貸しつける事と同等の意味を持ちますので、債務者に十分返済できる資力が備わっていなければ当然認められることはありません。

名義変更は案件によって個別的な判断がなされる傾向にありますので、実際にどうなるかは相談をしてみないとわからないといえます。

4、ローンの主債務者と離婚後の住宅の使用者が異なるケース

ローンの主債務者ではないものが住宅を使用していくケースも考えられます。夫が住宅の所有者でありローンの債務者でもあるが、子供の環境なども考えて離婚後は妻と子供が引き続き住宅を使用して夫が別の場所で暮らすようなケースです。

この時に住宅の使用者である妻から夫に対していくばくかの使用料(賃借料)などを支払っていない場合、住宅の無償譲渡として贈与税の対象になる場合もあります。

まとめ

どのようなケースにおいてもきちんと離婚の協議書において住宅と住宅ローンにおいて取り決めを決めておく必要があります。協議書を作らずに離婚をした場合、最悪の場合別れた配偶者が逃げてしまい、金融機関から住宅ローンの督促がご自身に来てしまう場合がございます

別れた後も経済的なつながりが残ってしまう可能性が高い住宅ローン。その取扱いには十分注意していただき、金融機関や不動産会社も含めた専門家のアドバイスも参考にしつつ話合いをしていってもらいたいと思います。