こんにちは。小平市のみしま行政書士事務所/三島友紀FP事務所の三島友紀です。

弊事務所では離婚の相談のうち子どもがいらっしゃる家庭の離婚相談を得意としております。
子どもがいらっしゃる家庭の離婚は必ず養育費について決めておかなければいけません。養育費は子どもの権利ですので親の都合で養育費を放棄したり、拒否したりすることはできません。

今回は養育費を決めるときの注意点。そして養育費はいつまで支払うべきなのかについて解説したいと思います。

1、「養育費」はいつまで支払うべきなのか?

養育費は一般的に「未成熟子」に対して支払われるものとされています。「未成熟子」とは経済的に自ら独立して自己の生活を獲得すべき時期の前段階にあって、いまだ社会的に独立人として期待されていない年齢にある子をいいます。(中山直子【判例先例親族法^扶養ー】)

一律に何歳までと法律で書かれているわけではないので、何歳で養育費の支払いが終わるかについては個々の子どもの成熟度合いによって変わってきます。

一般的には成人を迎えるまでと規定する人が多いと思いますが、4年制大学への進学が一般的になった現在においては成人を迎えたとしても在学中で就職していない間は養育費の支払いを求めるケースが増えてきています。実際に調停や判決でも養育費の終期を22歳の3月までとするケースもあります。

また子が成人前に就職をしていたりして社会的に自立しているような場合には成人前に養育費が終了となるようなケースもあります。

ですからたとえば離婚協議書に書く場合は

1、養育費は子が成人に達した年度の3月末で終了する。
2、1の時点で子が大学、大学院などに進学している場合は卒業年度まで養育費は延長される。
3、1の時点より前に子が就職をしている等社会的に自立している場合はその時点で養育費の支払いは終了となる。

のような記載をし、終期を動かせるように記載しておくことがベストだと考えられます。

2、2022年成人年齢が変わった場合はどうなる?

成人年齢は現在20歳とされていますが、2018年に民法が改正され、2022年4月1日から18歳が成人となります。

上記でお伝えしたように成人になったから養育費が終わるわけではありませんが、後々の紛争のタネになってしまう可能性があるので支払いの終期として「子が成人に達するまで」ではなく「20歳の3月まで」「22歳の3月まで」と明確な期日を入れた方がよいとされています。

なお、民法改正の際には、参議院法務委員会で、子どもの養育の重要性を考慮し、「成人年齢と養育費負担終期は連動せず未成熟である限り養育費分担義務があることを確認する」との付帯決議が可決されています(吉岡睦子・榊原富士子【離婚相談の法律実務】)

3、養育費を定める時には公正証書にしよう

養育費は一括払いではなく一般的に分割払いとされることが多いです。ですから支払いの方法をきちんと協議書の中で明示しておくべきです。

①毎月の支払金額
②毎月の支払日
③支払方法(銀行振込の場合手数料の負担はどちらが持つかも)
④未払い、遅延の場合の対応方法

といったものです。

そして個人の合意文書である「離婚協議書」だけでは法的な執行力はないので合意内容は
「公正証書(強制執行認諾約款付)」にしておくべきです。
この公正証書を作成しておけば万が一将来養育費の不払いが起きた時に強制執行をすぐに行うことができます。公正証書がない場合は家庭裁判所に対し養育費に対しての調停や審判を申し立て「確定判決」をもらっておく必要があり、手間と時間がかかってしまいます。

養育費のように長期間続く金銭債権の場合はいつ支払いが滞るかわかりません。離婚時にできる限り公正証書にしておき将来受け取るお金に対して少しでも保険をかけておきましょう。

4、養育費の金額の相場は?

なお養育費の金額はどうやって決めたらよいのでしょう?

養育費は「親と同程度の生活を子どもに保証する生活保持義務」ですので親の収入や資産。生活様式によって養育費の金額は変わります。

また支払う親の生活レベルだけではなく、同居する養育費を受け取る親の生活水準とも関連してきます。例えば
「年収500万の養育費を払う夫と働いていなく年収0の妻」と
「年収500万の養育費を払う夫と年収400万の妻」であれば年収0の妻の方が受け取る養育費は多くなります。

家庭の収入や生活様式など本当に様々な事を考慮に入れないといけませんので、きちんと離婚後の生活設計を行って適切な慰謝料を受け取るようにしていきたいと思います。

なお、慰謝料の基準額は裁判所のHPの中に「養育費算定表」がありますのでこちらを用いて概算額を計算することもできますのでやってみてください。

まとめ

養育費の終期は「子が未成熟」なうちは続くのが一般的です。
未成熟な期間は社会人として自立して働いているか。などを中心に、総合的に考える必要があります。「成人年齢」はひとつの目安であってそれだけで養育費の終期が決まるわけではありませんし、成人年齢が18歳に引き下がった事も直接は関係しません。

そして養育費を定める時には強制執行認諾約款付きの公正証書にする事が大事です。

最長20年以上もの長期間にわたる支払いの養育費は途中で支払いの遅延や未払いが生じるリスクが非常に高いです。その場合にすぐに強制執行ができるというのは養育費確保の保険としてとても強い効力を持っていますし、支払い義務者にとっても強制執行されてしまうからきちんと払わないと。という意識が働きます。

養育費の金額を定める時には養育費の算定表を使い、家庭の生活様式や収入を考慮に入れてきちんと適切な養育費を計算するようにいたしましょう。

養育費は子どもの権利です。
子どもの生活を守るためにもしっかりと請求し、支払う義務がある親はきちんと払い続けられるようにしていきましょう。