こんにちは。
シングルマザーの方にとって養育費と並んで生活費の柱となる収入といったら「手当」です。
「給料」「養育費」「手当」
これが生活の三本柱で、どれかひとつ欠けても生活は厳しいものなる家庭が多いと思います。
今日はそんな手当の中でも「児童手当」にしぼってご説明いたします。
ちょうど現在(令和2年12月11日)政府では児童手当の所得制限を改定しようとしている動きがありますので、そのあたりも注意が必要です。ではいってみましょう。
児童手当って何??
児童手当とは内閣府のHPによると
子ども・子育て支援の適切な実施を図るため、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的としている制度で、0歳から中学校卒業までの児童を養育している方に支給されます。
とあります。
かいつまんでいえば未来の社会を担う子どもを健全に育てる為に国が一定の金銭を給付して、子育て世代の負担を軽減する制度です。
支給対象となる児童は、産まれてから15歳の誕生日後の最初の3月31日までの児童で、児童を養育している方の口座に原則振り込まれます。
児童手当の支給額は?
児童手当で支給される金額はまずは年齢によって分けられています。
1人目・2人目 | 3人目 | |
3歳未満 | 15,000円/月 | 15,000円/月 |
3歳以上小学校卒業まで | 10,000円/月 | 15,000円/月 |
中学生 | 10,000円/月 | 10,000円/月 |
上記の表の様にわけられており、基本的には3歳までは15,000円。3歳以上は10,000円です。ただし、高校卒業までの子どもが3人いる家庭は3人目からは3歳から小学生の間だけは15,000円になります。(中学生は10,000円のまま)
3歳から小学生の間に15,000円に増額されるのは【高校卒業までの子どもが3人いる家庭】だけなので、たとえばサザエさん一家のように、サザエ(18歳以上)、カツオ(小学生)、ワカメ(小学生)のような場合は高校生以下の子どもは2人だけなので仮にサザエが結婚していなかったとしても第三子のワカメの児童手当は増額にはなりません。
児童手当には所得制限がある
児童手当には所得制限があります。所得制限の線引きの金額は以下の表のとおりです。
扶養親族等の数 | 所得制限限度額(万円) | 収入額の目安(万円) |
---|---|---|
0人 | 622.0 | 833.3 |
1人 | 660.0 | 875.6 |
2人 | 698.0 | 917.8 |
3人 | 736.0 | 960.0 |
4人 | 774.0 | 1002.1 |
5人 | 812.0 | 1042.1 |
※内閣府ウェブサイトから引用
(児童手当制度のご案内: 子ども・子育て本部 – 内閣府 (cao.go.jp))
現行制度では夫婦共働きの世帯でも収入の高い方の所得のみで計算されます。
上記の表を見ると例えば専業主婦の妻と子ども2人の3人が扶養家族の場合、所得制限は736万円。給与収入にした場合の目安は960万円です。
この金額を超える所得の場合は児童手当は支給されず、特例給付の対象となります。特例給付は児童一人当たり5,000円が支給されます。
所得制限の改定はどうなる?
最初にもお伝えしたように、現在(令和2年12月11日)、政権与党の自民党と、厚生労働省の間で児童手当の所得制限の見直しについて合意に至ったところです。今後の国会で審議され問題なく進めば2022年10月から所得制限が変わることになります。
どう変わるかというと、上記の表をもう一度見てみましょう。
扶養親族等の数 | 所得制限限度額(万円) | 収入額の目安(万円) |
---|---|---|
0人 | 622.0 | 833.3 |
1人 | 660.0 | 875.6 |
2人 | 698.0 | 917.8 |
3人 | 736.0 | 960.0 |
4人 | 774.0 | 1002.1 |
5人 | 812.0 | 1042.1 |
これを見ると扶養家族が3人の家庭では給与収入(右側の数字です)が960万円を超えると、特例給付で児童一人あたり5,000円の支給となっていました。年収1,000万円の人も、年収1億円の人も同様に5,000円もらえていたのです。
これが2022年10月からは年収1,200万円に新たなラインが引かれる事になりました。
960万~1,200万円の人はいままでどおり特例給付で5,000円支給されます。
1,200万円以上の人は特例給付も無くなり児童手当は一切受給できない事になります。

※ちなみに一時は所得制限の所得を夫婦合算して計算する案もでていましたが、与党内からも反発があり見送るかたちになりました。
児童手当の申請方法や手続は?
児童手当は市区町村が窓口となっていますので、子どもが生まれた時だけでなく、他の市区町村に引っ越した時も手続が必要です。「認定請求書」という書類の提出が必要です。
公務員の場合は、勤務先から児童手当が支給されるので、公務員になった時や公務員で無くなった時、または官庁が変わった時などはお住まいの市区町村と勤務先に届出をしましょう。
また、半年に1度。自宅に現況届が送られてきますので、仕事内容や収入、生計が同一かどうかなどの確認の為現況届を提出する必要があります。
忘れてそのままにしていると児童手当が受けられなくなるので気をつけましょう。
離婚した場合や、離婚協議中で別居の場合はどうしたらよい?
この問題もよく耳にします。児童手当は基本的に夫婦のうち収入の高い方の口座に振り込まれるようになっています。子どもと一緒に別居した場合、特に何も手続をしないとそのまま子どもを現在養育していない配偶者の口座に振り込まれてしまう事があります。
離婚協議中で別居の場合は住民票を移しているかいないかで手続が変わります。
住民票を移して夫と別世帯になっている場合、特に問題なく児童手当の受給先を変更できます。
妻の住所地で「児童手当等の受給資格に係る申立書」と下記の1~4のいずれかを添付して申請すればよいのです。
1 協議離婚申し入れに係る内容証明郵便の謄本 2 調停期日呼出状の写し 3 家庭裁判所における事件係属証明書 4 調停不成立証明書
住民票を移してない場合は夫の協力が必要です。
夫が「児童手当・特例給付受給事由消滅届」を役所に提出し、妻が児童手当を新規申請することになります。

離婚をした場合も上記と同じく、「児童手当・特例給付受給事由消滅届」を夫が提出。
妻が新しく児童手当を申請。という流れをふみます。
夫が協力してくれない場合も想定できるので、そのあたりは役所に相談してみることが大切です。
まとめ
本日は大事な大事な「児童手当」について解説いたしました。
児童手当の支給額の考え方(3人目から15,000円に増額する)
所得制限の金額と、制度改正の動き。
離婚や別居した時の児童手当に関する手続。
バタバタしているとうっかり忘れてしまう時もありますが、最初にお伝えしたようにシングルマザーの家計においては「給料」「養育費」「手当」が3つの大きな柱です。
その手当の多くを占める児童手当。しっかり手続してもらい忘れがないようにしましょう。