「争族」

これは相続の造語です。相続。つまり人が亡くなってその人が持っていた財産、権利義務などを配偶者や子供などが承継することですが、2時間ドラマでもあるように、争いの大きな種になる場合が多々あります。
争いが起きてしまった相続を争族(そうぞく・あらそうぞく)などと呼んだりする場合があります。

争族になる原因は多岐にわたります。財産の大小。遺言書の有無とその内容。持家かどうか。相続人の普段の関係性。etc,etc…
その原因の一つが離婚の有無と言われています。離婚によって争族になるケースは、主なものとして2つあります。その内容を見てみましょう。

  • 離婚時に子供がおり、その後亡くなるまでの間遺言書を用意していなかったケース
  • 離婚後再婚し、その再婚相手に連れ子がいたケース

この2つが争族になりやすい原因の2つです。
どういうことか詳しく見ていきましょう。

相続の基礎知識

別の記事でもこの辺は詳しくやりたいな。と思いますが、前提知識として相続の基本知識を知っておいてください。基本知識とは法定相続分の割合のことです。

法定相続分とは民法で定められた割合の事です。相続とは人が亡くなった時に発生するものですが、亡くなった人を被相続人。財産を承継する人を相続人と呼びます。相続人になる資格があるのは、配偶者。子。親。兄弟姉妹。の4つに分けられ、配偶者は常に相続人となり、親は子がいたら相続人になることはできず。兄弟姉妹は子または親がいた場合は相続人になることができません。

つまり、配偶者と子で分けるのが一般的ではあるが、子がいなければ配偶者と親。配偶者と兄弟姉妹で分けることもあるということです。そしてそのパターンによって法定相続分の割合が変わってきており、配偶者と子の場合は1/2ずつ配偶者と親の場合は2/3と1/3配偶者と兄弟姉妹の場合は3/4と1/4となっています。

そして、ここが大事なことですが、相続分の割合というのは民法上定められているのは任意規定となっており、当事者が納得するのであれば別にその割合どおりに分けなくてもよい。と決められています。

離婚時に子供がおり、遺言書を用意していないと…

離婚をした時点から夫婦は他人となりますが、子供との関係というのは切れません。親子関係は続いていきます。

たとえば例として、父親Aと母親Bがおり、その子Cがいました。AとBは離婚をし、その後父親A(便宜上亡くなるのは父親としてお話しします)が亡くなりました。その父親には再婚相手Dと、その相手との間に生まれた子Eがいました。

この場合にAの財産はどう分けられるか。まず再婚相手Dはもらえます。配偶者ですから。その後はどうでしょう。再婚相手Dとの間に生まれた子Eも何の問題もなくもらえます。問題はこの後です。別れた母親Bはもらうことはできませんが、実の親子関係がある子Cは父親Aの財産を相続する権利があります。

このケースが、まぁーーーーーーもめやすい!

ただ、よくあるケースでもあります。この場合Aが遺言書を用意しており、財産の一部をCに分け与えるように正しい準備をしておけば争族になる可能性はかなり下がります。

再婚相手Dやその子Eにとってはいきなり現れた子供を名乗る人間に財産を渡さなくてはならなくなり、普段から交流も通常はとっていないでしょうから、揉めるケースが非常におおくなっております。

再婚相手に連れ子がいたケース

このケースとしては男Aがおり、女Bと再婚をしたケースを考えてみましょう。女Bには前夫との間の子Cがいた。その後再婚後しばらくたって男Aが亡くなった。とします。

まず女Bは再婚して配偶者ですから相続人として確定になります。
では次はどうでしょう。AとBの間には子供は恵まれなかったとすると、子共と呼べるのは再婚相手の連れ子Cだけとなります。Cが財産を相続できれば一番いいのですが、残念ながらCはBにとっては子供ですが、Aに対しては子供という扱いにはなりません。つまり法定相続分に数えられていないんです。そうなると、Cは財産を相続することができず、配偶者と親。や、配偶者と兄弟姉妹という分け方となってしまいます。

普段から親戚付き合い仲がよければいいですが、相続の時というのは普段仲がよくても急に態度が変わることがよくあります。相続できなかったCとそのおかげで権利がふってきた親・兄弟姉妹との間で争いがおきる場合があります。

防ぐにはどうすれば?

相続の時にもめる原因はさまざまですが、離婚が原因となってもめる原因があることはわかったかと思います。ではどうすれば防げるのか。事前の準備が大切ですね。

1のケースではきちんと遺言書を残しておくこと。そのうえで別れても、子供とだけは良好な関係を続けていくことが、唯一無二の方法となります。

また2のケースでは再婚相手に連れ子がいた場合、なにか問題がなければ連れ子と養子縁組をしてしまいましょう。養子となることで、法的には相続を受ける権利が子供に生まれます。この権利があるだけで親、兄弟姉妹が財産の相続人とはなることはなく、配偶者と子供に全額がわたることになります。