こんにちは。三島友紀FP事務所の三島です。

早いもので本日から7月がなります。2020年ももう半分が過ぎてしまいました。
コロナに振り回された上期でしたが、下期もまだまだコロナとは付き合っていかないといけないようですね。9月には行政書士事務所も開業となるのでひとつひとつ着実にお客様の為になるサービス作り、情報発信をしていきたいと思います。

さて、遺言書についてですが、皆様どんなイメージをお持ちでしょうか?

書いておけば争いを防げる。そんな考えをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

確かにその通りなのですが、他にもメリットはあります。

本日は遺言書の知られざるメリットをお伝えしたいと思います。

遺言書のメリット① 争族対策

遺言書の大きなメリットのひとつが皆様が想像されている争族対策になるという点です。

争族とは亡くなられた方の遺産の配分で相続人となる家族同士で争いになってしまう事です。

これは「うちの家族は仲がいいから大丈夫」「うちには争うような財産はないから」という人ほど気をつけてほしい点です。

これについてご説明します。

家族仲いいから大丈夫??

まず家族が仲がいい。という点。
確かに今は仲がいいご家族なのだと思います。それは間違いではないのだと思います。ただしそれは「あなた」がいらっしゃるから仲がいい。のかもしれません。
「あなた」がいなくなってしまった後も、今と同じ関係性が続くかどうかは正直誰にもわからないといえます。

また、争族になる家族の特徴として相続人となる子供が結婚している場合、その配偶者が争族の引き金になるケースというのも非常に多いです。
お子様同士は子供の頃から一緒に仲よくしていたとしても配偶者は元々は他人です。ドライに遺産分割について口を挟んでくる事もあります。
本来相続人の間で自由に決めてよい遺産分割ですから相続人でない配偶者の方には口を挟む権利はありませんが、実際には大きく関わってくるのは間違いありません。

争う財産がないから大丈夫??

次に争う財産がないから大丈夫だというご意見。これも非常によく聞きます。

これについては家庭裁判所の司法統計年報を見るとよくわかります。
遺産分割で争いになり、裁判所に調停や裁判を申し立てた人のうち、その争う事となった財産が5,000万円以下のケースが全体の76.3%。さらにそのうち33.0%は1,000万円以下となっているのです。

遺産総額 件数 割合
1,000万円以下 2,476 32.98%
5,000万円以下 3,249 43.27%
1億円以下 832 11.08%
5億円以下 533 7.10%
5億円超 53 0.70%

出典:裁判所ホームページ(司法統計年報家事事件編 平成30年度)

私自身も実際に300万円の遺産で争いになってしまった家庭を見たりしています。財産の大小は争いが起きる起きないに関係ありません。むしろ財産が少ないからこそ何も対策を立てていなく争いになってしまうケースというのが多い印象があります。

 

このように家族が仲がよいから、財産が少ないから遺言書で対策をしなくてよいという事には繋がらないかという事がわかるかと思います。相続対策は誰もが考えなければならない問題なのです。

では遺言書は相続対策以外にどのようなメリットがあるのでしょうか?

遺言書のメリット② 第三者に財産を相続できる

遺言書のメリット二つ目は第三者に財産を渡すことができるという点です。

「あなた」には相続人である配偶者や子供たち以外にとても世話になったから遺産を渡したいという方はいるでしょうか?(財産全部というわけではなく数十万という金額だったとしても)

また
「あなた」にもし身寄りがなく相続人がいない場合、死後にその財産は最終的には国のものとなる事をご存じでしょうか?

「最終的には」ですから優先順位としてはこのような流れです。
① 相続人(配偶者や子供)
② ①がいない場合特別縁故者(事実婚の相手方や療養看護を長年行っていたものなど)
③ ①も②もいない場合共有者(あまり例はありませんが、土地などが共有だった場合他の共有者がその土地を引き継ぐことになります)

①も②も③も不在の場合は国のものになるのです。

法律で定められたルールとはいえ、国のものになるのはちょっと…という方が多いと思います。

そんな方が遺言書を遺すことによって
仲のよかった友人に遺産を渡すことができます。
応援したい企業や団体に遺産を渡す事ができます(寄付のような形で)
国ではなく自分の住んでいる自治体に遺産を渡す事ができます。

これは意外とよく利用される遺言書の使い方です。
渡したい相手がいなかったとしても社会貢献をしているNPO団体に寄付をしたいという方は多くいらっしゃる印象です。こういった事も遺言書を書いておかなければできない事のひとつです。

遺言書のメリット③ 遺産分割手続が不要になる

遺言書のメリット3つめは遺産分割手続きが不要になるという点です。
近しい人が亡くなられた経験がある方はわかるかもしれませんが、このメリット。実は超重要です。

人が亡くなると遺産分割手続という手続きを踏むことになります。
これはしなければいけないものではないですが、多くの場合、財産が多かろうが少なかろうがすることになるものです。

なぜなら遺産分割手続をしなければ銀行預金の解約。不動産の名義変更。自動車の名義変更。こういった手続きが進まないのです。
遺産分割をしないといけないという決まりはありませんが、実際にはこのような生活していく上で必要な手続きが進まないというデメリットがあります。
そしてこの遺産分割手続においては、遠方で暮らしていたり(特に海外で暮らしている場合、書類を集めるのに非常に手続きが煩雑になります)、連絡が取れないものがいたり、連絡は取れるが財産の分割割合などでなかなか話がまとまらなかったりと手間や気苦労が増えてしまいがちです。

遺言書を作ることによりこのような遺産分割協議書を作成せずにによって銀行口座の解約も、不動産の名義変更も行えるので遺族の方々の手間暇が大幅に軽減されることになるのです。(ただし下記で記述のとおり遺言執行者が選任されていない場合は各相続人の印鑑証明書は必要)

遺言書のメリット④ 遺言執行者を決める事ができる

メリット③の続きともいえますが、この遺言執行者を定めることができ点もメリットです。

遺言執行者は相続人全員に代わって遺言書の内容を実現する手続きができる人の事です。
通常遺言書にて指定します。

メリット③でお伝えした銀行口座の解約や不動産の名義変更などは各相続人が共同して行うものなのですが、遺言執行者が定められていれば遺言執行者だけで手続きができてしまうのです。

この場合は③のメリットに加えて、他の相続人の印鑑証明書が不要になったりするので更に簡単かつ迅速な手続きが可能です。

遺言執行者は相続人の一人がなる事もできますし、複数人がなることもできます。(未成年者及び破産者はなることができません)

第三者が遺言執行者になる場合は各相続人がきちんと遺言書の内容どおりに遺産分割を行うかどうか監督すること役目を担うことになるため、被相続人となる遺言者にとってはご自身の願いを実現しやすくなります。

まとめ

遺言書には争族対策という大きな役割がありますが、それ以外にも大事な役割が多くあります。
それは第三者に遺産を渡すことができる点。
遺産分割協議書を作らなくて済み、遺言執行者を設定していれば他の相続人の必要書類も省略できるため、死後事務が大幅に楽になるという点にあります。

遺言書は自分で作成することもできますし、不安であれば弁護士や司法書士、行政書士に相談して作成することもできます。気になる場合は無料相談などを利用して検討してみることがおすすめです。